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鷲が青と藍の色彩の中に飛びこんでいく 
先の白い羽に黄金の光を受け
風と静寂のリズムに合わせ
気流や暴風と共に歌い、急降下し
ただひとり、遠くを見る者、空の踊り手
太陽の火が蛇のような下界に沈む
そして鷲が赤、藤、琥珀色の光に乗って降りてくる
夜ごと長い夢をつむぐ巣へと

翼の下に頭を休め
眠りに包まれた鷲
原初の親族たちに思いをめぐらす
うろこあるもの、とぐろを巻いたものとの関係を
それらは太陽を罠にかけてのみこむ
その間、失われた世界は闇と夢の中で待つ
そして夢の世界では神と女神が
祈りの脈を打つ
小さな火のそばで踊り
大きな光に向かってドラムを叩く
喪失の叫びから歌をつくる
心の残り火をあおり
色彩を愛でる
作物の緑、トウモロコシの金
鹿と大地の柔らかで豊かな茶
霧と太陽の虹のプリズム
そして奔放な春のアネモネ
秋に燃えつきた死せるレモンの黄色と黄褐色
夏の青白い熱

そして冬の静寂の中心にある白い静けさ





命がうごめく
光がみなを覚醒させる
そして鷲が太陽に向かって舞い上がる

目覚めの吐息に乗って




 詩「旅の歌」抜粋/ジョシー・タマリン