あけましておめでとうございます。
謹んで新春の寿ぎを申し上げます。
新年の相聞茶堂は1月21日木曜日、
石切の橋本亭にて開催させていただきます。
二、三月は、場所は未定ですが日程は第三木曜日です。
四月になればまた高槻町のうららで、
お花見相聞茶堂も予定しております。
こちらは日程が決まり次第、
ご案内させていただきます。
昨年暮れの、
2年ぶり東京盆暮円坐に、
ご参集くださいましたご縁、
誠にありがとうございました。
大変ありがたい時間となりました。
逢坂中之島のイブイブ円坐では、
丁寧に丁寧に円坐空間に影舞が置かれてゆき、
舞台空間は此彼の眼差しに照らされ純度を増し、
冴え渡る刃の如く、影やき(かがやき)ました。
逢坂梅田の円坐ひとひろでは、
師走の梅田を行き交う人々の川の流れに、
きくみるはなす縁坐舞台が幾重にもあらはれ、
最期は、近松物語のお初徳兵衛心中の地、露天神を未二観し、
そのふたりの場所と空間を寿いで、仕舞い(終い)ました。
この世のなごり、
夜もなごり、
死にに行く身をたとふれば、
あだしが原の道の霜、
一足づゝに消えて行く、
夢の夢こそあはれなれ、
あれ数ふれば、暁の、
七つの時が六つ鳴りて、
残る一つが今生の、
鐘の響の聞き納め、
寂滅為楽と響くなり。
いよいよ、令和三年の幕開けです。
新年もどうぞ宜しくお願い申しあげます。
では、謹んで新年のご縁を石切相聞茶堂にて、お待ちしております。
松岡弘子
<<新春相聞茶堂開催要項>>
◇開催日時:1月21日・2月18日・3月18日10〜17時半
◇茶堂場所:1月は東大阪市にあります『石切橋本亭』
◇円坐守人:橋本久仁彦松岡弘子橋本悠
◇内容:未二観・影舞・円坐・きくみるはなす縁坐舞台
◇会費:一万円
◇募集:数名
◇申込:soumon.enza@gmail.com松岡
◇ご挨拶:
相聞茶堂は、令和二年七月から三カ月間『浦堂きらら』で、九月からは『高槻町うらら』の古民家へ移り開催して参りました。
令和三年一月は『石切橋本亭』にて開催いたします。
「相聞」とは、カウンセリングやコーチング、セラピーではありません。知識による人から人への受け渡し教育でもありません。誰もが乞い乞われる万葉の相聞歌のような、魂の呼応です。
「茶堂」とは、日本の喫茶店のルーツです。四国の各地の村境にある小屋のことで、生活をする中で世代を問わず語り合ったり旅人をお接待する憩いの場であったり、四国の各所には数多く残っています。
その「茶堂」を場所としてそこから呼び覚まされる生活の言葉、智慧による願われた言葉が、我々に生まれる瞬間、生活に深く根ざした、思議することあるべからず世界へと道がひらける、そんな、ちいさなわたしを通じて、世界の歴史全体を包み込むような空間がこの世にひとつ、あればいいなあとおもいます。
歴史を越える心にふれるには、人に会うことでしか始まらないと思います。
人の語る言葉をそのまま聞くということが、たとえ発語がなくとも、聞こえてくる言葉をそのまま聞くということがほとんど無くなりつつある現代だからこそ語りの言葉には他者への敬意と土地への誇りも、同時に、不可欠だと痛感しています。
わたしたちはこれまで長い歴史の中でいのちの事を生命とは呼ばず、寿命と呼んで参りました。寿というものをいただいて、命そのまま生きているわけですが、現代は個人の生命を私有化してしまい、大変苦しんでいます。寿命とは一体なんだろうかと思うのです。生活に根ざした、向こうからの呼び声のような、魂の言葉のような、寿命とはそんな願いのような気がしてなりません。
そこで「相聞茶堂」という見えない小屋の棟を上げ、その土地の舞台となり、皆様と共に、この現代でいうお接待の形を試みてみたいと思います。
同時に、この願いというものは、いつの世にも願われてきた「呼び声」でもある、という気がしています。
では、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
松岡弘子
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